痛風(高尿酸血症)って何科?(中編)

 体内の尿酸貯蓄が増加し、関節や腎尿路系に尿酸塩が結晶として析出してしまう。
 だから、急性関節炎を起こせば整形外科初診だし、尿路結石発作なら泌尿器科初診だし、メタボ関連で高尿酸血症指摘されたら内科初診と、いろいろな診療科を受診して投薬を受けている患者さんが多い。
 そもそもヒトにはウリカーゼという尿酸分解酵素がないので、尿酸を保持しやすいそうです。そして、関節腔で尿酸が蓄積し尿酸結晶生成され脱落する機序、同時に結晶排除目的に炎症細胞も集積する機序など様々なことが研究されています。一方で血液中の尿酸値は排出に関わる要因(特に酸性度)で変動してしまうから、一時的に高尿酸血症が解除されたために尿酸の結晶の一部が脱落し痛風発作を来す事もあれば、血清尿酸値が10を超えても発作が起こらないこともあります。
 考えてみると、ウリカーゼ酵素をなくしたヒトって言われると、尿酸を使うための進化って側面もあるかもしれませんよね?ズバリ尿酸のいいところってないんですかね?尿酸はプリン体の最終代謝産物として、主に腎臓から排出されるのは前回のブログ(『プリン体ってプディングじゃなく何なの?』)でつぶやいた通り。腎臓の中を詳細に観察すると、糸球体ろ過を受け、尿細管での再吸収と分泌を経て、尿排泄となる。ところが、90%は再吸収され、10%程度しか尿排泄になっていないそうです。これって、わざわざ再吸収しているってことは、まずます体にいいところがあるからと思いたくなりますよね。
 そうです、尿酸の利点を検索すると、1970年代から尿酸には抗酸化作用があるのではないかと考察されていました。抗酸化物質、例えば、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)やビタミンE、ビタミンCなどを代表選手とする、あの仲間に、尿酸も考えられているそうです。
(続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA