その13 高次脳機能障害と診断されても(中編)

 現場では、「これは○○障害だ」「これは✖✖障害だ」と一目で分類できません。例えば、他のことに気が散って、必要なときにそれを思い出せなければ、「記憶」障害?いやいや「注意」障害?どうしたらいいわからなくなっているので「遂行」障害?
支えていく家族は、いかに本人が苦しんでいても、本人に何が起きて、それをどのように感じているのか、何に困っているのか、が全く分かりません。推測で精一杯。
 例えば、リハビリ時間のリアル。
「さあ今日はバランスを取りましょう、座るバランスをとりましょう。その前にストレッチからしますよ」「はい、右足です、右足を伸ばします」ストレッチを終え、開眼していれば、座る動作に移ります。ベッド柵につかまり自分一人でバランスよく座れることが当初の目標です。「さあ右手でこの柵をつかまりますよ。はい、顔を前に向いて、、、、背中を伸ばして、オシリに力が入りますよ。左に傾けて、、、、右に傾けて、、、」「はい、座りますよ、背中伸ばしますよ、、、」言葉を聞けば、皆さんもリハビリしている光景が浮かぶでしょう。でも全失語の彼女にはどこまで届いているかは未知数です。根気よく掛け声が続きます。すると突然閉眼し、全く掛け声に反応しなくなります、、、。今日もイメージしていたプログラムが進めません。
 「ここまでお疲れ様。ゆっくり休んで、おいしい食事を食べようね。」と声掛けします。もちろん、食事中の突然閉眼、口腔内食物残渣という、『高次機能障害あるある』は続きます。
 それでも、『慌てず、諦めず、希望を持ち続け』ます。だって、『決めるまでは悩んでも決めたら後悔しない』って決めたもんね。
(続く)

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