プーと高血圧 (後半)
さて、いきみで呟きすぎましたが、便秘が血圧上昇と関連している話の本題に戻りましょう。
便秘はストレス、すなわち自律神経が乱れ、血圧は上昇に向かいます。また、便が大腸に長く貯留してしまうと、本来排出される消化液(特にコレステロール主体の胆汁酸)が余計に血中に吸収されてしまう、つまり血中コレステロール値が上昇してしまうと推測されています。中には『悪玉コレステロール』も含まれ動脈硬化を引き起こすので、やっぱり血圧は上昇。便秘になっている方には、運動不足の方が多いですよね。つまり、筋肉量が低下し、腸の筋肉運動も弱くなってしまいます。前回のブログ(『うんち、大便、通じ、そして プー(poo)』)で呟いた水分を考えれば、筋肉内水分不足になっているから、大腸にある便からの水分も余計に奪われてしまいます。同時に、基礎代謝抑制し、体内温度が低下していますから、腸内細菌叢の変化(善玉菌減少や腸管免疫能低下)も始まるとされます。すると、良質なたんぱく質の消化吸収にも支障が起こり、ますます筋力維持には不利です。結果的に肥満も加速しちゃって、、、。
だから、いろいろな角度で考えても、便秘のせいで血圧は上がるって腑に落ちましたか?
さてEさんには、海外の便秘ガイドライン第一選択薬になっている、マクロゴール4000の高い浸透圧効果により消化管内に水分を保持する、便秘薬を処方しました。シェイカーで振って、ちょっと塩っぽい溶解水を飲んでから、快便になり、血圧もさらに下がりましたので、安心しました。
以上、今日も外来で患者さんと一緒に、クマのプーさんの肥満体形にならぬよう、体で一番筋肉量が多い下肢をスクワットで鍛え、筋肉量を維持しているSAIストーリーでした。