基礎化粧品(前編)

今回は基礎化粧品の話。えっ?化粧?それってどっちの分野?分かった、自由診療の宣伝だ、アンチエイジングだろう?しかも一話完結でなく宣伝強化か?そんな声が聞こえます。でも医業ネタです。

さて、臨床医は、高血圧ガイドラインはじめ最新のガイドラインにアップデートして診察しています。特に循環器分野では、高血圧放置はもちろん、降圧不足のために緊急救命手術を受けた患者様が大勢いらっしゃったので、どうしても降圧管理には手を抜きたくない気持ちが先走ります。

例えば、作用の弱い降圧薬を何年も内服し、家庭血圧が150程度で推移しているBさんを診察していると、やっぱり血圧管理を強化するべきだと毎回声が大きくなります。Bさんは薬を変えるのを極端に拒否されます。なぜかというと、「体の調子は変わらないし、自覚症状もないから」と言い張ります。でも、ガイドラインを説明し、いろいろな生命危機となる症例がある事実を伝えても、「先生が熱心なのはわかるわよ。でも、悪いけど、私はその基準外の例外の人間っていうことでいいじゃありませんか」と一歩も譲ってくれません。でも血液検査で心不全マーカー(NT-proBNP値)も上昇明らかですし、レントゲンで心拡大も明らかです。さらに、Bさんには濃厚な家族歴もあるし、リスク回避するには降圧強化だけです。

 診察室の会話で、日々の生活習慣を確認します。

Bさん「朝起きて、そうねえ、ベッドでストレッチやってからかしらねえ、洗顔と軽く化粧やって、家事でしょ。それから、、、」

僕「化粧ってルーチンなの?」

Bさん「そうよ、洗顔やクレンジング、化粧水、乳液、クリームなどいっぱいやることがあるのよ」と鼻高々に説明してくれました。

(続く)

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