心拍数は遅くできずとも呼吸数は減らせる(後半)
さらに横紋筋は随意筋(意思で動かせる)で、平滑筋は不随意筋(意志では動かせない)ですが、「呼吸筋(横隔膜や肋間筋)は横紋筋にもかかわらず,例外的に自律神経の支配を受ける二面性がある」と解説されています。そして呼吸中枢部位に、「無意識的な呼吸から意識的な発声へ切り替えるモードスイッチ機構がある」と論じられています。
だから、吐く時、特にゆっくりと長く吐くと副交感神経がより刺激され、よい結果をもたらすから、様々な健康法に取り入れられていたんですね、きっとそうですよ。副交感なら、酸素を多く取り入れる深呼吸は、各臓器の血流量を増やしているはず。その臓器には当然脳も入っていますから、ストレスも軽減され体にはいいわけですね。
さらに調べると、マインドフルネスって、慢性疼痛治療ガイドライン10(2018)に、「慢性疼痛治療における奨度1A(行う事を強く推奨する)」とされており,立派な医療になっているのですね。もちろん、マインドフルネスによる疼痛抑制機序もきちんと研究(山本らの報告『慢性疼痛とマインドフルネス ―注意機能に関わる脳内ネットワークの観点から―』)されておりました。それによると、注意機能に関連する脳内3ネットワークモデルがあり、呼吸などに意識を向ける集中により、中央実行ネットワーク(CEN)が賦活され、意図的にデフォルトモードネットワーク(DMN)を抑制するそうです。慢性疼痛患者は、DMN の過活動を引き起こしているらしく、これが抑制されるので、マインドフルネスが疼痛管理に効果を発揮するそうです。
ちょっと脱線しましたが、呼吸がただ生命維持だけでなく、脳内ネットワークへの影響分野でも学術研究されているって素晴らしいですね。
さて、今日も、ゆっくり長く息を吐いているチームSAIでした。