閑話 四十九日法要のイハイ(後半)
実は葬儀の相談のため、住職様と面談した際に、すでに四十九日の日程も決められた。主導権は住職様にあるから、我々は従うしかない。その際に、用意しておくように言われたことが4点あった。一つ目が、墓石に名前を彫るから石屋さんに連絡を前もってすること。二つ目が、白木の「イハイ」。三つ目が仏壇の「イハイ」。四つ目が遺影やお花やお線香だった。僕はメモに「遺灰」って書いていた。お線香を指す灰のツボ(香炉)のことをイメージしていたからだろうなあ。メモには線香と花と写真立てのイラストが描いてあった。
さて、そろそろ四十九日と思い、久しぶりにネット検索した。準備する物品の確認をしたかったからだ。
そこで初めて、僕がメモに「遺灰」と書いた事実を認識し、愕然とした。「位牌」の同音異義語だわ!と自嘲して笑うしかない。(葬式で、立派な白木の「位牌」を見たが、四十九日の「遺灰」メモのことなどすっかり忘れていたし。本当に余裕がなく、切羽詰まっていたのだろうけど、、、確かに同音異義語だよねえ、、、。)でも、まだぎりぎりセーフだ。なぜなら白木は葬式の際に作ってもらっているし、実家の仏壇にあるご先祖様たちの「黒い位牌」はちゃんとあるのだから。
それも、勘違い。すぐ判明した。僕の頭に浮かんだ“実家の仏壇にあるご先祖様たち”の「黒い位牌」を持参するのではなく、“先考専用の真新しい”「黒位牌」を数週間前に発注することと注意書きがあったからだ。もう間に合わなかった。同時に行う開眼法要と呼ばれる魂入れの儀式にこそ、新たに作成した「黒位牌」が必要なので、「イハイ」は白木と仏壇と二種類分けてあったのだ!
先考よ、申し訳なかった。「遺灰」じゃなく「位牌」、さらに“ご先祖様の”黒位牌と勘違いしてしまったよ。
先考よ、四十九日法要を終えたが、さらに別日程で、開眼法要を執り行わせてもらったのはこうした不手際だったからなんだよ。
先考よ、余計な日数かかったけど儀式はやっと執り行われたよ。そして、一周忌はもう決めておいたよ。三周忌もこの先あるだろうけど、『慌てず、諦めず、希望を持ち続け』ているから、僕たちを見守っておくれよ。