在宅介護 その16 300日突破 10か月目(中編)
10か月目の新米介護人の僕も相当成長したと思うけれど、まだまだこんな感じ。バタバタで無我夢中、これが全介助のリアル。
日々山あり谷ありが半端ない。起死回生の瞬間を迎えられたときの喜びも半端ない!めっちゃ嬉しいよ。だから、表舞台に一緒に立ちたい一心で、裏番組の譲れないノルマをこなす。谷が深くなっても山も高くなることを信じて、準備不足のせいで乗り越えられなかった結末だけは避けたい。何が一番嫌かというと、後から悔やむこと。それだけは絶対絶対嫌。だから、一所懸命に二人でともに生きれるよう、行動する。「急いでいる」姿に映っても(吟味に吟味もしようと思ってはいるよ)、『今』このタイミングで、行動しちゃう。恩返しって待っててもできないからね。この先何段構えになるかわからないが、続けられていることに日々感謝。その気持ちは絶対なくなさない!
それでは、ある日の光景を。
1日目、傾眠がちで、飲食摂取量も少ない。排便なく、排尿も少ない。見た目は変わらないし、月一回体重測定しているけれど、経過的に増減はげしいこともない。「まあどうしようもないよなあ」と。
2日目、今日も排便なし。「傾眠で食事摂取量も少ないし」と。「まあ排尿はあったし、天候の移り変わりも激しいし。摘便していた当時とは全く違うじゃん」と。でも不安が募って、ソワソワ落ち着かない。ソワソワ?ワチャワチャ?モゾモゾ?適応なオノマトベで表せればいいけれど、焦り始める。おいおい、『焦らず、慌てず、諦めず』と言霊を口に出す。「そうだよ、3段構え、場合によっては4段構えでも、大丈夫、大丈夫。こちが焦っているぞ。」と言い聞かす。
3日目、今朝も傾眠。不安いっぱいの中、朝のヘルパーさんが訪問。朝も排便なし。僕も出勤時刻。無理に笑顔を作り、大きな声で、『じゃあ、俺が先ね。そっちも元気でね、またね』と無理やり手を握り、タッチさせ、ヘルパーさんにお願いして、出発する。
そ、そ、その時。
(続く)