在宅介護 その16 300日突破 10か月目(前編)

 今日彼女が不調でも、一日休めば大丈夫,大丈夫、明日はきっと良くなるさ。でも、その明日も同じように不調だった。こんなことはしょっちゅうあった。だから、「今日、明日、明後日と3段構え(将来は4、5段かも?)」になった。つまり、土日週末が覚醒悪くても、月曜日に元気な時間が出れば週末の休みがよかったとなるからね。
 
 ところが、介護人である僕は、自分の都合で右往左往。「今を一生懸命生きている」事実に感謝しているのは感謝しているよ。でも、やっぱり欲が出ちゃうわけさ。彼女の回復を信じているくせに、自分の時間軸で彼女の時間経過を待てない。介護人の僕だけがどんどん前のめり。食事量、飲水量、おむつ内の尿量、排便、おむつ皮膚炎の日々の状況に右往左往。「今月振り返れば、体重も安定し、結果として、彼女がしっかり充電されて休息していたのかなあ」と、振り返って評価できればよいのに、やっぱり焦る。わかっちゃいるけど、焦っちゃう。『焦らず、慌てず、諦めず』何回も何回も、口に出して唱えていますよ、言霊だからね。決して焦らないと誓っても、こうやって焦るから、自分が焦ったらすぐ唱える感じ。
 
 だから、「もっと彼女目線で構えてあげなさい」「彼女はものすごい勢いで頑張っていらっしゃるわよ!」と介護の世界で30年以上の大ベテランヘルパーさんが、僕をいつも諭してくださる。リハビリ技師さん達(週1回わずか40分間の訪問時間)も、決して中断せず、未覚醒でもできることをやろうと真剣です。一瞬開眼し、彼女に伝わると、「さあ立ちましょう」と、立位保持訓練を促します。介助する割合が少しでも減ったら、僕は拍手喝采。彼女の“どや顔”を見たいからね(20回に1回くらいでしょうか、もうその表情を一度でも見たら、もう一回見たい欲が出てしょうがないからねえ)。

 でも、本当に、一瞬だけ。それまでは傾眠、そして、どこかで帳尻合って、その日を迎える。(続く)

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