在宅介護 その12 9か月

 デイサービスの目的に、『入浴』がある。妻は機械浴(専用車椅子に座った姿勢のまま入浴できる専用機器)となる。その入浴設備がなかったり、設備があってもその日の対応人数が限られているので新参者は入れなかったりする。
 さて、9か月目。順番待ちをしていた、地元で唯一の高次脳機能障害対応型デイサービスへ週一回だけ通えることになった。ただ、そこでは入浴ができなかった。だから、『訪問入浴』を導入した。

 浴槽を組み立て、水道から水をくみ上げ、専用車で加熱し、浴槽に「かけ流し湯」のように流し続け、排水も行う(最終的に下水に流す)。それでいて、彼女はゆったり(本当に9か月ぶりではなく、一年半ぶり!!!)湯船につかった。しかも初日はコラーゲン入りの入浴剤を入れてもらった。これじゃあコストがかかるのもやむを得ない。それだけの演出だった。滞在時間はきっちり45分間だ。

 そんな時期の外来だった。90歳のお誕生日を迎えたIさん(糖尿病が悪化している原因を、他所で勧められた高価なサプリと考え、それと決別してから、すぐ血糖管理が安定した経緯がある)から、こんなお言葉を頂戴した。

 「先生のブログを娘が読んでくれるのよ。奥様が生きていることは素晴らしいわよ。私も旦那さんが横にいなくなって本当に寂しくてねえ、、、もう5年もたつけど、変わらないわねえ。」「どんな病気でも生きているだけでいいわ。亡くなるって本当にいなくなるってことだからねえ、何年たっても寂しいわよ。あらやだ、こんなに話し込んじゃって、、、」

 Iさん、ありがとう。今日もIさんから元気をもらっているのは、僕だけじゃなく、チームSAIのみんなもだからね!これからも元気に通院してね。

 おかげさまで9か月目に入りました。今後は初の年越しです。皆様、いつも応援してくれてありがとうございます。

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