withコロナの前からwith腸内ウイルスだったのか (後半)

 高校生物(35年以上前ですが)で、「バクテリオファージ」を用いた実験で細菌の中に注入された物質がDNAと証明されたこと、その翌年に「DNAの二重らせん構造」が提案されたことを習いました。あのバクテリオファージがファージと呼ばれ、今なおずっと研究されている分野であることに感動しました。
 「細菌に感染し増幅し細菌を破壊するファージは、溶菌効果も高いし、生体への副作用も少ないし、抗生剤耐性菌にも有効」だとする理論はまさに目からうろこです。しかし、現状では、「感染細菌に溶菌活性のあるファージを選択する再現性のある方法は決まっていない」そうです。しかし科学者たちが、多くの命を細菌感染症から救える一つの手段としてファージセラピーが実用化されるようさらに研究を続けていらっしゃいます。(『ファージセラピーの臨床応用について、世界の現状と今後への期待』(岩野ら モダンメディア68巻12号2022年より)
 「人間ってやっぱり共存して生きているんだ。」細菌ばかりじゃなく、ウイルスとも共存していたとは。本当によもやよもやの知らないことがいっぱいです。これからも医業を続ける以上、専門領域にばかり目を奪わずに、幅広く知的好奇心を持ち続けていかなくては、と学びました。
 それにしても、人体は一つの小宇宙という表現がありますが、いろいろなところをズームアップすると、そこにはそこの世界の素晴らしさがありますね。こういうライフシフトをしなかったら、僕は学べなかったかもしれません。『人間万事塞翁が馬』とはこのことだったのかと実感します。

 今日も、この池辺町で様々な訴えを拝聴させてもらい、いろいろな刺激を受けているチームSAIでした。

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