『悪玉』が「動脈硬化」って言われても(中編)

さあ、『悪玉』が血液中を漂っている状況を想像してください。(採血して『悪玉』の値が高いとは、血中に『悪玉』がうじゃうじゃたくさん漂っているってことですからね!)


うじゃうじゃ漂っている『悪玉』が、血管の内膜(内皮細胞)損傷部分を見つけました。『悪玉』は、そこから、容易に血管の内側に入り込んでいきます! すると、入りこんだ『悪玉』が酸化され、体に不要な『酸化LDL』へ変身しました。
すかさず、マクロファージ(免疫担当)が、こいつは排除すべき異物だと、みなし、『酸化LDL』を食べ、処理しています。(「処理できたじゃん?何がやばいんだよ??」と安心しないで、もうちょっとお待ちください。)


でも、マクロファージが次々に食べて処理するといっても、『酸化LDL』の方が過剰にあるから全部食べつくせません。しかも、いっぱい食べてくれたマクロファージはその場で死に、結果として炎症物質が出ます!(『悪玉』処理が相当負担だったのでしょうね、亡骸から炎症物質なんてアニメの世界のようですが、物質が出るのは事実です。)


こうして、血管内膜の内側では、この反応が次々と繰り返され、その場に粥状の「プラーク」が作られます。どんどん作られどんどん肥大してくと、やがて内膜も押し上げられるから、その場所は狭くなってしまいます。しかも「線維化」現象も同時に起き、組織も硬くなっていきます。こうして、柔軟だった動脈が固くなってしまうのです。


イメージできましたか?『悪玉』と『動脈硬化』のストーリーを僕なりにわかりやすく描写してみました。実際には、血圧が高い条件も加わっていることが多いので、もっともっと血管は傷つけられ、ますます動脈硬化が進みます。これが、血液流量に合わせて柔軟に伸縮できない動脈硬化の血管なのです。
(続く)

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