人体の細胞数は60兆個でなく、37兆2000億個

 

 「人体は小宇宙」「60兆個の細胞の集合体」というフレーズは身についていましたが、10年前にヒトの細胞数は「37兆個」と推定した論文発表があり、数字の入れ替えが行われているって知っていましたか?当時の60兆は、細胞一つの平均重量を約1ngと仮定して60kgの人の細胞の数は約60兆個と大雑把に推定した簡略化モデルだったようで、その推定も卓見した素晴らしい計算ですよね。もっと驚いたのは、細胞数を研究し続けている科学者がいらっしゃったことです、敬服しかありません。さて、新しい数字は、様々な細胞数に関するデータを収集したり、顕微鏡画像から細胞体積を計算したり、できる限りの推定から算出したら、37200000000000となったので、これから習う若者はこっちの数字を覚えるのでしょね。
 いずれにせよ、初めは受精卵1個だったのに、兆の単位まで増えて人体を作っているんです。これだけでも感動しますが、さらに、その細胞がしょっちゅう生まれ変わって僕らの体を作っているって、もう衝撃です。しかも毎日細胞死が繰り返されているって、本当に気が遠くなる工程です。医学生の頃、胃腸の上皮細胞は1日程度の寿命だし、血液中の白血球は2日程度、大抵は数日程度と習いました。赤血球は120日と習いましたが、赤芽球から脱核するので細胞と言えるのかちょっと例外でしょう。そうそう骨だって、破骨細胞が数週間、骨芽細胞が数か月、骨細胞10年以上と寿命はあります。ただ神経細胞と心筋細胞だけは分裂しないと当時習いましたが、最先端ではどのような研究がなされているのでしょうか。興味が尽きません。
 でも分裂しないはずの細胞でもそのDNAは作り替えられているはずですから、神秘というしかありませんね。
 今日も、発熱外来でウイルスに侵された細胞の修復期間を伝え、皆で励ましているチームSAIでした。

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