在宅介護 その5 3か月(後編)

 そもそも、脳卒中患者の回復過程には限界があるわけではなく、将来にわたって改善することが分かっています。それは年単位ですから、3年後、6年後、9年後と長い目で評価すべき案件です。そして患者自身は抑うつ状態になっていくこともわかっていますので、メンタルケアもとても重要です。僕の接する態度が彼女のメンタルケアに結びついているのだろうか?正解は未来にしかないので、続けてみようと思いなおす日々です。
 こうして、3か月を振り返ると、介護を支えている様々な人たちの縁を感じずにはいられません。僕一人ではどうにもならないことばかりでした。そして、働かないと生活できないので、労働環境を与えてくれた職場に何より感謝しています。
 このブログ原稿執筆時点とリアルワールドは少し時差がありますが、当初つづろうと思ったきっかけ(在宅介護ブログ『その1 準備』で呟いた)である、「どこかで在宅介護を始める人の検索にヒットして読んでもらえたら役立つこともあるだろうし、結果的に僕が勇気をもらった在宅介護人の皆様への『恩返し』につながるといいなあ」と本気で思っています。だから、くじけても続けられるんですね、人間って本当に一人じゃない!よもやよもやこのような日々を送るとは夢にも思いませんでしたが。
 だから、いつも朝の挨拶、夜の挨拶は欠かしません。
 今日も、連れ添に声を掛けて出勤し、声をかけてから寝かせます(僕が眠るときは寝顔に向かってこそこそしゃべっています)。
「本当に生きていてくれてありがとう。」
「相棒の僕が、在宅介護させてもらえているから、本当に救われているよ!」
「最高のライフシフトだね。」
「今日も新しい朝が始まったね。」と言葉にして。

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