降圧薬離脱成功の実例1(前半)

30代後半のFさんは、大学生のころと比べ30㎏も体重が増加していますが、一見するとガタイがいいので目立ちません。初診時の主訴は「くらくらする」。実は健康診断で、肥満、高血圧と脂質異常が「要医療」と明記されていますが、「仕事が忙しく、平日の日中に病院を受診する暇がないんですよ」とおっしゃります。

診察室でも血圧が200/110!深呼吸してもらっても190/100と異常高血圧です。幸い神経学的な異常所見なく、急変時対応を説明し、降圧薬処方を開始しました。具合が悪かったので、欠勤していますし、頻回に通院してもらいました。一気に下げることはできないので徐々に血圧値を下げ、問題なく正常血圧に達しました。第1の投薬で随伴層状である「くらくら」は治り、正常化した頃には体のフットワークも軽いと喜ばれたFさん。学生の頃はサッカー選手だった青年が、酒もたばこもやらないのに、不規則な生活、車の運転ばかりで全く歩かない生活習慣を通して、あっという間にメタボ体になってしまったのです。

ところが、多忙な仕事のせいで、冬になったらクリニック通院が途絶えてしまいました。1週間内服しないと血圧がどんどん上がって、数週間すると(あれだけ自覚症状もなくなっていたのに)、「また頭重感が出て辛いっす」と。体がつらいので仕事も早退し、受診することが多くなりました。体重を落とすと血圧が下がるのは事実ですが即効性には投薬しかありません。「とにかく春になったら減薬できるから、一緒に離脱まで目指しましょう」と説得し、今度は通院中断せず、無事春が来ました。

(続く)

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