在宅介護 その5 3か月(中編)

  例えば、排泄問題。本人は不快で藻掻くことも多々あったはずですが、僕は察することができません。「寄り添う」と言っておきながら、ウンチの合図もわかりませんから、「苦しい思いをさせているのに気づかず悪かったなあ」と毎回思います。排便も不定期で、便秘解消が一筋縄ではないのは、医業ブログ『うんち、大便、通じ、そして プー(poo)』で呟いたとおり難しい。また、「おむつが一体何枚必要なの?」これが分からないからその都度おむつの大量買い。残り少なくなったら焦ってネット発注の繰り返し。結構ストレスでしたね。3か月目の最後にようやく『毎月おむつの枚数を、テープ式が3x30=90枚、パッド式が5x30=150枚』と決めました。そして、自治体からのおむつ現品補助制度を利用(限度額以上のおむつは自費負担)し、配達してもらっています(自分で買い出しは数回のみ)。
 それから傾眠問題。リハビリはもちろん、食事も、排泄介助も、車椅子に座っているのも、ベッドにあおむけに寝ているのすら、体力と一緒に残存脳力を振りしぼっているのでしょう。とにかく疲労困憊。決して病状が悪化しているのではないと思います。当初は、傾眠中も声をかけ起こしましたが、最近は「しっかり眠って回復」、「新しい脳神経回路を作るのは半端ない労力」と自分に声掛けして見守っているだけです。
 その都度考えてしまいます。「恩返し」って言って始めたけれども、これって辛いことを「押し付けているだけ」ではないか?連れ添いの意志に背いて強引に進め、自分が介護している「自己満足感」ではないか?救命を勝手に懇願し、このような在宅介護の余生を選択させ、長く先の見えないリハビリで「辛い思いをさせているだけ」ではないか?自問自答を繰り返さない日はなかったです。
 そしてそのたびに、今は辛くても、横棒を一個増やしているのだから『幸せ』になるよ、と思い出します。

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